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医療と介護の連携進むか
2024年度は診療報酬と介護報酬の同時改定となる。厚生労働省は1月の中央社会保険医療協議会と社会保障審議会介護給付費分科会に対し、今後の検討の進め方を示した。3月以降、両会の委員が加わった意見交換会を開き、課題の共通認識を深める。いかに医療と介護の連携が進むかが焦点となる。
24年度の診療報酬改定は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降を見据えた介護報酬と障害福祉サービス等報酬との同時改定となる。また、2025年に向けて地域医療構想の取り組みを進めるとともに、医療介護総合確保促進会議で「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」を取りまとめる。医療法改正で新たに追加された「新興感染症等への対応」を含む5疾病6事業等の見直しを行う第8次医療計画や第9期介護保険事業計画、医師の労働時間の上限規制適用と、大きな制度改正も加わる。

同時改定は最強タッグに
参院選より一足先に厚生労働省の幹部級人事が6月28日に発令された。保険局医療課長には眞鍋馨氏が無事就任した。弊誌3月号本欄で述べたように、2024年の診療報酬・介護報酬同時改定は老健局の古元重和老人保健課長との最強タッグで臨むことになる。一方、厚生労働事務次官には大島一博政策統括官(総合政策担当)が就いた。全世代型社会保障構築会議での功績が官邸から評価されたものであり、2025年以降の社会保障制度の道筋を付けていくための人事といえる。
今回の主立った人事をみてみる。医政局長には老健局介護保険計画課長や医政局総務課長などを歴任した榎本健太郎大臣官房審議官(医療保険担当)が就任した。伊原和人医政局長は保険局長に就任し、老健局長には大西証史内閣官房内閣総務官室内閣総務官が就いた。大西氏はキャリアのほとんどが大臣官房で、老健局は初めてとなる。
事務次官には、当初�霖�浩樹保険局長が有力視されていたが、大島氏が就任して�霖�氏は辞職した。前任の吉田学事務次官は昭和59年入省だが、大島氏は62年入省と3年も若返った。内閣官房内閣審議官(デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長)に出向した土生栄二老健局長は61年入省なので、ほぼ事務次官の芽はなくなった。伊原保険局長は大島氏と同じ62年入省であるため、次期事務次官は「同期回しとなるのではないか」と指摘する声もある。
今回の人事は、新型コロナウイルス感染症対応が主眼だった厚労省の施策が、シフトしつつあることを反映したものだろう。内閣官房で新型コロナウイルス感染症対策推進室長を務めていた吉田氏、その前任の樽見英樹氏と異なり、大島氏はコロナ関連の業務には就いていない。大島氏を起用した理由について、後藤茂之厚労相は「老健局長や大臣官房長、政策統括官等を歴任し、厚生労働政策全般に精通しており、事務次官として厚労省における様々な重要課題にその能力を発揮してもらうことを期待している」と述べている。調整型で全世代型社会保障構築本部事務局長を務めており、冬までに、2025年以降を見据えた全世代型社会保障の方向性構築に手腕を発揮してもらいたいとの官邸の意向が滲む。
一方で後藤厚労相は「今回の人事は新型コロナウイルス感染症対策に万全を期す)とも語る。岸田首相が総裁選で訴えていた感染症の司令塔機能の構築に向け、政府は内閣官房に司令塔として「内閣感染症危機管理庁」を創設する方針を固めた。また、感染症対策として、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して「日本版CDC」を設置し、厚労省内に関係部署を統合した感染症対策部を新設する。日本版CDC創設などを盛り込む感染症法改正法案は今秋の臨時国会にも提出されるとみられる。このため、福島靖正医務技監や佐原康之健康局長は留任させて、健康局は大きな異動を行っていない。また、次期医務技監が有力な迫井正深内閣官房内閣審議官新型コロナウイルス感染症対策推進室長は、23年度にも創設する危機管理庁の立ち上げなどに取り組む。
医務技監はじめ、局長級の異動がなかったことから、課長級の医系技官の異動も小幅だ。社会・援護局障害保健福祉部長は田原克志氏(医系技官)が転出して事務系が就いたことから、大臣官房審議官(医療介護連携、データヘルス改革担当)に森光敬子元医療課長が就き、幹部級の医系技官の人数を揃えている。
名簿を見て、ある幹部経験者は「優秀な人が他省庁に取られてしまっている」と嘆く。こども家庭庁の来年4月の創設に向け、渡辺由美子大臣官房長がこども家庭庁設立準備室長に出向した。渡辺氏は村木厚子氏に次ぐ女性2代目の事務次官候補としての呼び声が高い。山本麻里社会・援護局長も孤独・孤立対策担当室長として出向した。
近年は「官邸・与党受けがいい」官僚が局長級以上に就く傾向にある。�霖�氏は「細かすぎる」などと国会議員受けあまりがよくなかったようだ。物申す官僚が冷遇され、イエスマンが重用される状況に、別の元官僚は「辞めて良かった」と漏らしている。
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