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2021年度介護報酬改定は、自立支援改定
〜リハビリ部門の医療−介護連携と介護事業所同士の連携強化〜
2021年度介護報酬改定に向けて議論が進んでいるところであるが、今までの議論の様相を見てみると、今回の改定はまさに「自立支援改定」だと言える。今まで介護施設の中でリハビリ機能を持っていたのは老健、通所リハビリ、訪問リハビリ、そして、リハビリ特化型デイサービスが中心であった。しかし、今回の改定では、それ以外の施設に関しても広く機能訓練を導入しようとする意図が見える。
例えば、通所介護に関しては1日型の長時間サービスを利用しているところに生活機能向上連携加算の枠組みを使って外部の通所・訪問リハと連携して機能訓練を導入しようとしている。これらは通所・訪問リハビリが未来永劫利用できるサービスというわけではなく、退院・退所後、利用者のADL が安定したところで、特に軽度者に関しては、通所・訪問リハビリから通所介護やその他の社会資源へ移行するという流れを作り出そうとしているのである。通所・訪問リハビリでは2015年度介護報酬改定で新たに社会参加支援加算が設定されたが、未だに算定率は低い。その理由として「利用者や家族の理解が得られない」ということがある。

介護報酬改定審議は2巡目が終了
介護事業経営実態調査結果が示されたが、全サービス平均の収支差率が2.4%と、令和元年度概況調査結果の3.1%から0.7のマイナスとなった。心配された有効回答件数は1万4376件と前回より686件減ったものの、前年の経営概況調査の1・96倍と信頼性が高まっている。問題は、前回平成30年介護報酬改定率が0・54とプラスであったにも関わらず、収支差率がマイナスとなったことだ。これは、給与費の割合が総じてプラスとなっていて、人件費の高騰が収支差率の悪化を招いた大きな要因であることが分かる。介護報酬改定審議は2巡目が終了。一部の論点は3巡目に持ち越される。では、これまでのポイントをまとめる。
まず地域密着型サービスである。定期巡回随時対応型訪問介護看護は、人員基準の緩和措置で、計画作成責任者と管理者の兼務を可能とすること。オペレーター及び随時訪問サービスを行う訪問介護員は、必ずしも事業所内にいる必要はないこと。の2点を明確にする。夜間対応型訪問介護は、オペレーターは、 特養、老健などの併設施設の職員と兼務し、随時訪問サービスを行う訪問介護員等と兼務出来ること。複数の事業所間で、随時の対応サービスを集約出来ること。地域の訪問介護事業所等に対し、事業を一部委託出来ることなどである。また、基本報酬については、区分1の出来高の部分にメリハリをつけることなどが検討される。グループホームは、緊急短期利用で、定員を超えた受入要件を、7日を限度から、7日以内を原則として、やむを得ない事情がある場合には14日を限度に見直す。 また、ユニット数に関わらず、1事業所1名までの人数要件は、1ユニット1名までに見直す。個室も、パーティションなどでプライバシーが確保される場合には個室以外も認める方向である。さらにサテライト型事業所の創設、ユニット数を3ユニットまで弾力化し、基本報酬も2ユニットと3ユニットで区分する方向である。計画作成担当者は最大3ユニット分まで兼務を可能とする事もポイントである。問題は夜勤職員の配置人数で、以前の2ユニットで1人配置に戻すことが検討されているが、反対意見も多くある。小規模多機能型居宅介護では、低い設定となっている軽度者の基本報酬の引き上げが検討される。訪問体制強化加算は、月に200回以上という訪問サービスの実施回数の算定要件を、200回、300回、400回などに細分化し、200回に満たない事業所は報酬を減額することなどが検討される。総合マネジメント体制強化加算も、上乗せ評価を行う新たな区分を新設し、登録者以外のショート利用の条件の緩和などが検討される。

適切なケアマネジメント手法とは
〜「適切なケアマネジメント手法の策定に向けた調査研究事業」報告書より〜
第190回介護給付費分科会では「論点�⊆舛旅發ぅ吋▲泪優献瓮鵐函廚砲弔い凸簑蠶鶺�がなされました。その資料の中で「適切なケアマネジメント手法の策定(2016〜2026年)」として、「ニッポン一億総活躍プラン(平成28年6月2日閣議決定)において、自立支援と介護の重度化防止を推進するため、介護記録のICT化を通じた業務の分析・標準化を進めることにより、適切なケアマネジメント手法の普及を図ることなどが指摘されている。このため、�.吋▲泪優献瓮鵐箸良現牴修砲弔い導鞠阿寮依�を行い、��一定の条件を定め、「想定される支援内容」を整理、�J�析に最低限必要な知識の整理等を行っているところ」との内容が示されました。
本稿では、長らく課題とされてきた「適切なケアマネジメント手法」について、課題や目的、具体的内容について見ていきたいと思います。

社会福祉法人として
2021年介護報酬改定にどう向き合うべきか
2021年介護報酬改定の本質的な読み方は、各論ではなく「横断的テーマ」にある。個別の介護保険サービスを弄るのはすでに限定的に感じられる。施設系サービスも訪問系・在宅系サービスも、もはや認可数を拡大することにあの手この手を駆使する時代は終わったのではないだろうか。「横断テーマ」
のうち、経営戦略とリンクさせるべきは、やはり「自立支援・重度化防止」と「認知症への対応」と考えるべきである。令和2年9月14日社会保障審議会介護給付費分科会
では次のようなやりとりがあった。
武久委員「要するに、要介護状態になる前の段階での治療の過程で、1日に必要な栄養分や水分がちゃんと適正に投与されているかということを考えますと、私、回復期や慢性期の病院をやっておりますと、急性期から低栄養の患者さんが非常に多く紹介されてきますので、このあたりを改善して、原因をつくっているところを改善していくというほうが、要介護者が減って、介護保険の財政も非常によくなるというもとになるのではないかと思います。介護保険側から、医療側にはなかなか言いにくいかと思いますが、私はちょうど現場の真ん中にいますのであえて言わせていただきますけれども、低栄養とか脱水とか、動けなくなる、そのリハビリテーションの件につきましても、介護保険に入ってきた段階で対応するよりは、原因となるところから改善していくほうがいいように思いますので、ぜひお話し合いをしていただいて、いい方向に動いていただければありがたいと思います。」
厚生労働省 眞鍋老人保健課長「一方で、武久委員から御指摘がありましたいわゆる急性期病院、回復期の病院から介護施設に入所される際のADLの低下の状態をどう考えるかでありますけれども、ここは私ども、医療と介護をよく連携しなければいけないところだと思っております。前回改定でも、例えばケアマネジャーさんが入院前に関与をし、そして退院後にも関与するような連携の加算を設けたりということを工夫しているところでございます。そういった介護からできることはやらせていただきたいと思っておりまして、また、厚労省内部でも、そうした連携は取らせていただきたいと思っているところでございます。」あくまで「介護からできることはやらせていただいて…」ということなので、厚生労働省としては、病院における絶対安静・身体拘束運営にメスを入れる気はなく、寝たきり状態を作り出している実態は継続するだろう。そうなると、やはり、介護保険制度側に、本物の高齢者の尊厳護持を実現させるために「自立支援・重度化防止」のアウトカムと高齢者の身体的際自立・尊厳欲求と自己実現欲求を満足させるための「体系的な自立支援介護理論」の実践施設・実践事業所を増大させる以外に方法はないと考える。

新型コロナウイルスと働き方改革
〜医師事務作業補助者の重点配置を〜
❶新型コロナウイルスによる
患者数減少
新型コロナウイルスにより病院業績が悪化していることは誰もが知る事実である。特に令和2年5月は緊急事態宣言の発出時期と重なり、前年度比で病院全体について医業利益率は12・3ポイント悪化、コロナ患者を受け入れた病院では14・8ポイント、そしてコロナ患者を受け入れなかった病院でも7.7ポイントの悪化という結果であった。そもそも4月・5月はスタッフの入れ替えなどもあり、財務的に厳しい時期であるが、それにコロナが拍車をかけた結果となった。コロナ患者を受け入れた病院といっても数名から100名を超えるまで様々なレベルがあるが、全体的にいえば急性期病院の業績が悪く、特にコロナ受け入れ病院は平均で400床を超えていたことから、高度急性期病院が苦境に立たされた。
その一番の理由は患者数減である。病床稼働率が下がり、外来延べ患者数も大幅に減少した病院が多いことだろう。入院・外来ともに収入は減少したが、給与費は固定費であり減少しない。確かに時間外勤務は減少したわけだが、コロナを受け入れた病院では該当患者に接したスタッフの手当てを支給したであろうから、給与費総額が減少するということにはならない。一方で待機的手術が大幅に減少したことから、診療材料費は減少傾向にあるが、医薬品費はむしろ増加した。外来化学療法件数はコロナ禍でも伸び続けているからである。また、救急についてウォークインは不要不急の外出が叫ばれたころから軽傷症例を中心に減少し、より重症である救急車についても搬送自体が減少する事態に陥った。

リハビリ部門の指導を始めて15年の私見
〜連載100回目を迎えて自身の振り返りとリハビリ業界の今後について〜
本連載が2012年8月にスタートし、今号でちょうど100回目を迎えた。毎回、ご購読いただている読者の皆様には深く感謝を申し上げる。現在、令和3年度介護報酬改定の議論がなされている最中ではあるが、100回目の節目として、今回は、筆者自身とリハビリ業界の流れについて振り返りをしてみたい。
筆者が、今のような医療機関や介護施設のリハビリ機能強化の指導を行うようになったのは、今から15年前であった。筆者は当時、作業療法士の養成校の教員をしていたが、週に2日間は非常勤作業療法士として病院に勤務していた。15年前はまだ、リハビリ職が不足しているなかで、回復期リハビリ病棟の増加や介護保険開始でリハビリ部門の開設や充実を図る医療法人が一気に増加していた。よって、筆者の非常勤勤務先は、「これからリハビリ職を増加してリハビリ部門を強化したい」「院内に通所リハビリを作りたい」「老健を新たに設置したい」というオープニングの依頼が多くあった。よって、非常勤勤務ではあるが、臨床業務だけではなく、「立ち上げ要員」として、リハビリ室の設計、備品の選定、書類の整備、診療プロセスにおけるリハビリ導入のマネジメントを同時に行っていた。また、勤務から6か月ほど経過し、滞りなくリハビリ提供が可能になってきたところで、養成校の卒業生に就職してもらい、徐々に人員を増加しながらリハビリ部門強化を図ることを複数の医療法人で行っていた。

コロナ禍の影響が続く中で
何が起きているのか。
コロナウイルスの感染者数が減らない中で、秋冬の季節を迎える。この時期は風邪やインフルエンザの患者も増える事から、その風邪の症状が、ただの風邪なのかコロナなのかの判断が難しく、対応に苦慮することが考えられる。また、職員の勤務シフトに於いても、37度5分以上の熱がある場合は出勤させてはならないとの通知がある事から、今後、冬に向けて風邪の症状などでの欠勤者が増える事が予想される。通常であれば37度5分程度の熱は微熱であるため、通常の業務をこなしていた職員も、コロナ禍の中で勤務する事は出来ない。利用者への感染リスクが有るからだ。今から、対応マニュアルなどの整備が必要だろう。また、東京都世田谷区は9月中旬からPCR検査を、区内の全ての介護施設職員等を対象に実施するとした。政府も新型コロナウイルス対策本部で、感染が拡大した地域については、その拡大期間内で、医療介護施設・事業所の利用者、職員全員を対象として定期的にコロナウイルスの感染検査を行う考えを示している。これらの検査対象の拡大によって、施設職員の感染者数が増加すると思われる。自施設に感染者が発生した場合の対応も、シミュレーションする必要があるだろう。いずれにしても、介護業界はコロナ対策では新たなフェーズに入ったと言える。

居宅介護支援の実践における
コロナ対応(後編)
〜秋冬に備える!
新型コロナウィルス感染症対策マニュアル「介護現場編」より〜
■はじめに
前号(第21回)に引き続き、「居宅介護支援の実践におけるコロナ対応(後編)」ということで、弊社作成のマニュアルより居宅介護支援に関する部分で主なものを抜粋してご紹介します。
これまで、厚生労働省発出の事務連絡等だけでなく、各種団体等から出された情報やノウハウは膨大な量になっており、何が正しいのか、何が適切なのか、判断がしづらい状況だと思い、介護現場の最前線で必要とされる、より実践的で包括的なマニュアルを作りたいと考えて作成したものです。
ただ、先日10月1日に介護保険最新情報Vol.878にて、厚生労働省による「介護現場における感染対策の手引き(第1版)」が周知され、新型コロナウイルスはもちろんのこと、インフルエンザをはじめとした他の感染症についても改めて具体的な対策が示されたことで、これまでの知見が相当程度整理されたのではないか、と思います。
しかし、今回ご紹介するような「公用車の消毒」等、細かい点については、補足が必要と考える内容もありました。秋冬に備える意味でも、もう一度対策を見直す時期だと考えていますので、ぜひ、厚生労働省の手引きと本稿をあわせてご参照頂けたらと思います。

これからの日本の40年間に巻き起こる歴史的大変化に、
社会福祉法人経営者は
どう対応すべきか〜「知能」VS「知性」
厚生労働省・国立社会保障・人口問題研究所の2012年推計によれば、日本では、2060年までに、2015年と比較して、生産年齢人口(=16〜64歳)が3264万人減少するという衝撃的な、かつ歴史的にみても世界のどの国も経験をしたことのないような、大変化が起こるとされている。これは世界第5位の経済規模を有するイギリスの就業人口とほぼ同じで、経済規模世界第10位のカナダの総人口を上回るほどの、いわば国が1つ消滅してしまうほどの「人口減少」が始まっている。ちなみに、同期間(2015→2060)の他国の人口減少は、ドイツで約1000万人、イタリアで約500万人、スペインで約300万人となっていることから、日本における生産年齢人口の大減少は未曾有の事態といえる。かつ、以前本連載でも触れたが、働く国民の給与所得が約20年間上がっていないという超貧乏国家に、いつまでアジアの外国人労働者が付き合ってくれるかが不透明という事情もついて回っている。
ここまでくると、社会福祉法人経営者に要請される「変化」は、文字通り予想を超えるものであることはいうまでもない。失礼ながら世代によっては、変化不能の可能性もある。そうなると、大変残念なことではあるが、その社会福祉法人が歴史的大変化に即応できるタイミングは経営層の世代交代が現実化した時になるか、世代交代が遅れた場合、他の社会福祉法人に吸収された時になると考えられる。現実問題、法人に「パラダイム・シフト」が起きる簡単なタイミングは、経営者が交代した時である。もちろん、経営者自体の意識・思考・言語行動・行動の変革、まさに「主体が変容」した場合は、経営者が交代せずとも法人の「パラダイム・シフト」が現実化するが、その場合、自分自身との精神闘争に打ち勝つ「知性」が要求される。「知能」が高い社会福祉法人経営者はいくらでも存在すると考えられるが、「知性」が深い社会福祉法人経営者となると話が異なってくる。

手術支援ロボットへの投資競争は利益を生むのか?
〜ゲーム理論が教えたこと〜
❶ゲーム理論とは何か。
ゲーム理論は複数主体が存在する場合に、一方の意思決定が他方に影響を与え相互に作用することについて数学的モデルを用いて明らかにするものである。もともと経済学で用いられてきたが、今日では競争戦略やマーケティングに応用されるようになっている。この分野では複数のノーベル経済学賞が誕生している。
自院が取った行動は、ライバル病院に何らかの影響を与えると考えるのが普通であるし、ライバル病院が何を考えどのような事業展開をしていくかは自院にも影響し、相互作用がある。
マイケル・ポーターの競争戦略では、コスト・リーダーシップ、差別化、集中戦略のいずれを採用するかが競争優位の源泉であるとされた。しかし、それは静的な状況を前提としており、自社がコスト・リーダーシップ戦略を採用し、低価格競争をしようとしても、競合がどのような影響を受けるかについては考慮されていない。しかし、現実は一方の行動は他方に影響するわけで、相互作用を無理しての経営はありえない。相手方は低価格に対して何らかの対抗措置を取ることが予想されるからだ。
ゲーム理論では人は合理的に意思決定を行うという前提があり、特にプレイヤーが少数である寡占市場を対象にした分析がわかりやすいため、ここではその一部を紹介する。なお、ゲーム理論が想定している世界をイメージとして捉えてもらうための題材である。
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