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リハビリ実施計画書の運用方法の見直し
〜リハビリの目的化を防止し、目標と計画を共有する〜
2020年度診療報酬改定では、リハビリテーション実施計画書(以下、リハビリ実施計画書)の書式ならびに運用方法が変更された。まず、書式に関しては、回復期リハビリ病棟をはじめFunctional Independence Measure
(以下、FIM)がADL指標のスタンダートとして使用されるようになり、改めてFIMとBarthel indexが組み込まれた。
また、運用面においては、リハビリ実施計画書の作成は、リハビリ開始の原則7日以内、遅くても14日以内と作成期限が明確になった。これに関しては、疾患別リハビリ提供のためには、リハビリ実施計画書が必要とのルールがあり、例えば、入院初日から疾患別リハビリを提供しようとすると、リハビリ実施計画書も当然、入院初日に作成が求められていた。しかし、現実的に、入院初日に患者の評価を実施し、目標設定、計画策定とそのリハビリ実施記録を行い、最終的に計画書を完成させて患者もしくは家族の署名までもらうのは難しい。よってリハビリ実施計画書作成のために、疾患別リハビリが提供できないという問題があった。医療機関によっては、まず、入院初日に「暫定プラン」としてのリハビリ実施計画書を作成し、数日後、改めて「本プラン」として再度リハビリ実施計画書を作成していたところもあった。よって、今回「原則7日以内、遅くても14日以内」と明確になり「リハビリテーション実施計画書の作成前に行われる疾患別リハビリテーションについては、医師の具体的な指示の下で行われる場合等に限り、疾患別リハビリテーション料を算定できることとする」とリハビリ実施計画書が無くても、疾患別リハビリの提供が可能になった(図1)。これにより、リハビリ計画書の有無にかかわらず、早期介入が可能になったのはリハビリ部門によっては、非常に良かったのではないだろうか。
また、運用面においては、回復期リハビリ病棟では、入退棟時にリハビリ実施計画書を作成し、FIM得点とその内訳と併せて患者への説明と患者の求めに応じて交付する必要性がでてきた。
さらに、地域包括ケア病棟においても「患者の入棟時に測定したADLスコア等を参考にリハビリテーションの必要性を判断・説明・記録すること」となり、リハビリ部門によっては今後、地域包括ケア病棟においても、リハビリ実施計画書の運用方法を変更する必要性がでてきた。

先送り報道に惑わされてはいけない
2021年度制度改正の中身
2021年度介護保険法改正の多くが先送り。このような記事が昨年末に大々的に報道された。この記事によって介護業界の危機感は一気に薄れて、楽観的な雰囲気が漂うようになった。しかし、多くの論点は無くなったのではなく、次回以降に先送りされた点に注目すべきだ。先送りの理由は二点あると推測している。一点は昨年10月の消費税の増税だ。増税は社会保障費用の確保が目的とされた。増税が行われた直後に、国民の新たなる負担を強いる改正には踏み切れなかった事。もう一点は、医療改革が優先されたことだ。医療では従来は1割負担である75才以上の後期高齢者に新たに2割負担を求めるなどの改革が進められている。これと併行して介護保険でも負担増を求めるとなると国民の反発は避けられないだろう。この二点が大きな要因となって先送りされたと考えるべきだ。何度も言うが、単に先送りされただけであって、次回2024年制度改正審議で再び取り上げられると共に、論点の幾つかは実施の可能性が高い。また、今回の先送りの反動が介護報酬改定に向く可能性も高く、春から始まる報酬改定審議は予断を許さない。では先送りによって今回の制度改正は大した改正とはならないのか。答えは否である。直接に国民に負担を強いる部分は、その実施が延期されただけで、要所要所では非常に厳しい大幅な改正が実施される。また、今回の新型コロナウイルスの影響も未知数だ。収束の時期が長引くと、介護事業経営への影響も懸念される。複数の予測モデルに対応した、複数の事業計画を作成すべきである。
前回までに、制度改正における重要なキーワードである住民主体の通いの場や補足給付改革などについて述べてきた。今回は、それ以外の改正点について見ていく。

居宅介護支援事業所の実地指導対策 その1
〜法令遵守の基礎知識〜
■最近の仕事より
新年度を迎えるにあたり、新しい仕事のご相談を頂くことが多い時期です。その中に、これまで経験したことのない新たな分野の仕事があります。それは、行政職員向けの研修講師の仕事です。行政職員の中でも、都道府県や市町村の介護保険課の職員向けの研修で、2日間の研修を3回(3分野)ご依頼頂きました。
では、その3回とはどのような内容かと言いますと、第1回が「実地指導について」。まあ、これは行政職員が学ばなければいけない内容でしょう。そして、第2回が「居宅介護支援の実地指導について」。第1回で実地指導について行うのですが、第2回では居宅介護支援に限定した実地指導、という内容です。最後の第3回が「ケアプラン点検について」という構成です。いかがでしょうか。居宅介護支援に対する行政の姿勢が透けて見える内容と言うことができると思います。
さらに、最近出会った、居宅介護支援事業所の管理者で、経営者でもあるケアマネジャーさんが「色々な課題はあるけど、一番不安なのは実地指導」とおっしゃっていました。念のため補足しておくと、この方は、ウォームハートとクールヘッドを両方持ち合わせているような方で、視野も広く勉強熱心な人です。そんな方でも実地指導が不安なんだ、と印象に残りました。
以上の最近のエピソードから、居宅介護支援の実地指導対策について、数回に分けて取り上げてみたいと考えました。
社会福祉法人、特に
「高齢者福祉社会福祉法人」の生存戦略
日本の企業は、昔は社会の利益を考えることを第一の行動規範にしてきた。
それが欧米流の徹底的な「マネタリー(貨幣獲得第一主義)経済」に飲み込まれ、一時期影をひそめることもあったが、また最近になり急速にその精神が復活してきている。それは「ボランタリー経済」の概念である。「ボランタリー経済」とは、精神の満足を目的として人々が行う経済活動。 利他的行動が中心の経済で、誰からもお金をもらわずに活動することを本来指していた。 近年、インターネットが普及し、「評価」を仲介として、モノ、サービス、お金、が交換される評価経済社会が登場した。大切なのは企業として利益を上げながら、それだけに留まらず、さらに社会の問題を解決していくこと。介護保険制度は日本が作った「ボランタリー経済」+「マネタリー経済」の絶妙なミックスになる可能性を秘めていたが(寝たきり老人ゼロ思想の普及と啓発である)、結果「マネタリー経済」としてしか捉えなかった経営者が増大した。その結果、どうなったか。

令和2年度診療報酬改定を踏まえた病院経営
〜働き方改革が求められる中、どの方向に導くべきか〜
➊改定率と重点課題
令和2年度診療報酬改定は、診療報酬が0・55%のプラス改定であり、うちプラス0・08%が医師の働き方改革に対する財源とされた。一方で薬価部分はマイナスであり、全体ではマイナス0・46%となった。改定前から財源に乏しく診療報酬本体部分ですらもマイナスであると言われ続けてきたことからすれば、評価できる内容だし、医療機関としてはありがたいというのが本音ではないだろうか。ただし、薬価等の部分については毎回引き下げの対象となり、病院が価格交渉した努力が水の泡となってしまうという現実もある。
令和2年度診療報酬改定では、重点課題の1つ目に「医業従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」が挙げられており、これらがクローズアップされた改定となった。なお、平成30年度改定では重点課題の3つ目にあがっていたのがこの部分である。一方で、令和2年度診療報酬改定の重点課題3には「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」が挙げられており、こちらは平成30年度改定では重点課題の1つ目であった。
つまり、順番が入れ替わったことになり、改定内容にも影響を与えた。

2020年度診療報酬改定の全容が明らかに
〜地域包括ケア病棟のリハビリ介入の見直し〜
2020年1月29日中医協にて個別改定項目、通称「短冊」が発表された。今回は、前回の同時改定後の改定で「小幅な改定」かと思われていたが、地域包括ケア病棟に関しては、400床以上の医療機関では新設が不可になったり、DPC病棟からの転棟は診断群分類表に定められた入院�兇泙播誠瑤魄�き継ぐことなど、地域包括ケア病棟に関しての項目が目立った。さらに、地域包括ケア病棟入院料1の実績部分も見直され、200床以下の地域包括ケア病棟入院料1を算定する医療機関は、ますます在宅医療と在宅介護に力を入れていく必要が出てきた。
また、リハビリに関しては、必要な患者に1日平均2単位以上は変わらないまでも、新たに「入棟時に測定したADL等を参考にリハビリテーションの必要性を判断し、その結果について診療録に記載するとともに、患者又はその家族等に説明すること」という条件が付き、�猊�要な患者�瓩箸蓮�ADL上、問題がある患者」と明確に定義された。
地域包括ケア病棟のリハビリ提供単位に関しては、各病院によってばらつきがある。図1は筆者のクライアント先である中小規模の3病院の平均実施単位数である。各病院の地域包括ケア病棟の平均実施単位数は、A病院は、ギリギリ2単位を実施している。B病院は、5〜6単位、C病院は、3〜4単位で実施している。

次期改正の重要なキーワード
「通いの場」が与える影響とは
介護保険部会で「介護保険制度の見直しに関する意見」が承認され、厚生労働大臣に手渡された。厚生労働省はこの内容を踏まえて、介護保険法の改正法案を取りまとめる。通常国会での審議を経て、今年6月には新しい介護保険法が成立する見込みだ。介護保険法の改正審議に続き、2021年度介護報酬改定の審議が給付費分科会で始まる。今回の診療報酬全体でのマイナス査定を受けて、非常に厳しいものとなることが予想される。
今回の介護保険法改正での重要なキーワードが「通いの場」である。通いの場とは、
�‖料爐篌駝3萋暗�を行い、介護予防に資すると市町村が判断する通いの場であること
��通いの場の運営主体は、住民であること�D未い両譴留娠弔砲弔い董∋堋�村が財政的支援を行っているものに限らないこと
�� 月1回以上の活動実績があること、とされている。通いの場の概念には、自治体の介護保険の担当以外の部局が行う、スポーツや生涯学習に関する取組、公園や農園を活用した取組など介護予防につながる取組、民間企業・団体や社会福祉協議会など多様な主体と連携した取組、医療機関や介護保険施設等が自主的に行う取組、有償ボランティアなどいわゆる就労に類する取組なども含まれる。

居宅介護支援事業所の管理者の重要性
〜質の向上には、個人プレーからの脱却が必須!〜
■居宅介護支援事業所の管理者
要件の経過措置期限一部延長
まず、はじめに、昨年12月17日に介護給付費分科会にてとりまとめられた「居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告」について、要点を抜粋します。
・平成 30 年度介護報酬改定において、居宅介護支援事業所の管理者要件を主任ケアマネジャーであることとした。その際、令和2年度末までは、その適用を猶予するとの経過措置を設けた。
・管理者が主任ケアマネジャーでない事業所も依然として4割程度ある。このような状況を踏まえ、経過措置期限を一部延長し、令和3年3月31日時点で主任ケアマネジャーでない者が管理者の事業所は、当該管理者が管理者である限り、管理者を主任ケアマネジャーとする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予することが適当である。
・なお、令和3年4月1日以降に新たに管理者となる者に対しては、更なる経過措置は適用されず、同日以降に新たに管理者になる者は、いずれの事業所であっても主任ケアマネジャーであることが求められる。
・特別地域居宅介護支援加算又は中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる事業所については、管理者を主任ケアマネジャーとしない取扱いを認めることが適当である。
・加えて、令和3年4月1日以降、急な退職などの不測の事態により、主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所については、当該事業所がその理由と改善に係る計画書を保険者に届け出た場合、管理者を主任ケアマネジャーとする要件の適用を1年間猶予することとする(保険者の判断により、この猶予期間を延長することが出来るようにすることが適当である)。
以上の内容について、令和2年1月24日の分科会で了承され、正式決定となりました。

社会福祉法人を「自立型組織
(「Ideal Company Method」® )」に変革するために
〜社会福祉法人の
「組織環境構造の現状分析調査(ICM)」試みの勧め
経営者(リーダー)は、自法人をどのような法人・事業所にしたいと思っていますか?はたまた、雇用されている人(施設長他管理職〈マネージャー〉及び一般職員)メンバーはどのような法人・事業所で過ごしたいと思っているでしょうか?
団塊の世代が90歳代に到達し、看取り期を迎える2040年まであと20年の本年2020年に、経営者が真剣に取り組まなければならないことは、「組織環境構造」の視える化です。2020年6月(医療・福祉医サービスの場合正職員100名以上)施行のパワーハラスメント防止法への対応・対策を打つ上でも必要であり、かつ、法人発展の大黒柱と考えるべき20〜30歳代の職員が定着する前提要件を整える上でも必要不可欠なプロセスといえます。
法人組織内で「ヒト」にどのような意識が芽生えるか?どのような言語行動(言動)になるか?いかなる行動をするか?を決定づけるのは、実は、個人の資質ではないことがわかって来ています。応用行動分析学では、ヒトの意識・言語行動・行動の原因を、ヒトの内面に求める考え方(いわゆる「医学モデル」)を「循環理論」と定義しています。「Aさんは提出物の提出がいつも遅い」→「Aさんは、性格がだらしないから」→「何故、Aさんのことを、性格がだらしないと思うか?」→「Aさんは、提出物の提出が遅いから」→「その要因は?」→「Aさんは、性格がだらしないから」・・・・・・、といったようにグルグル循環して、根本要因の迷路にハマることをいいます。応用行動分析学では、そうではなく、Aさんを取り巻く「組織環境構造」に原因を求め分析します。
法人組織で働く人々を取り巻く組織環境構造は、大きく5つの環境に判別されると考えられます(図1)。それぞれの「組織環境構造」の影響下で、管理職・職員は、図2のような意識となっていきます。

ブルー・オーシャン戦略
〜病院経営にブルー・オーシャンはあるのか?〜
❶マイケルポーターの競争戦略から
ブルー・オーシャン戦略へ
競争戦略の権威であるマイケルポーターは競争に勝つことこそが重要であり、その手段として差別化か低コストによるコスト・リーダーシップかのいずれかをとるべきだと主張した。さらに差別化とコスト・リーダーシップはトレードオフの関係にあり、両立するものではないとのことだった。
それに対してINSEADのチャン・キムとレネ・モボルニュは既存市場で競争をするのではなく、新しい市場を創り出し競合のいない事業展開を行うことが重要であると説き2005年にブルー・オーシャン戦略を提唱した。
マイケルポーターの競争戦略は、既存の厳しい環境下での競争が前提であり、これをレッド・オーシャンと名付けた。既存の市場では皆が業界常識というルールに縛られてしまい、限られたパイの奪い合いをしている。そうなると競争はさらに激化し、レッド・オーシャンは赤い血の海に染まっていくという。一方で敵のいない新しい市場を創り出し、競争自体を無意味なものにする未開拓な市場を生み出すブルー・オーシャン戦略が重要であるという。ここでは差別化と低コストは同時に実現できるものでありトレードオフの関係にはないという。ただし、いったん成功すれば競合の参入を招くわけであり、やがてはレッド・オーシャンになっていく。つまりブルー・オーシャンの探索は永遠であるともいえる。
図表1は、レッド・オーシャン戦略とブルー・オーシャン戦略を対比したものであり、ブルー・オーシャンを生み出すことによって売り上げや利益が大きく伸びるという。
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